カトウ矯正歯科のブログ

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第8回目のレポートです。前回『叢生(八重歯)の症例に対して早期治療を行い非抜歯にて矯正治療を行う方法』について症例報告をいたしました。今回は、その早期治療に用いる主な装置、Expansion Plate(エクスパンジョンプレート)、リップバンパー、サジタルアプライアンス、Active Plate(アクティブプレート)について説明させていただきます。

下記にあげる装置は主に取り外しのできる矯正装置ですので、ハミガキしにくいとか、食事の制限・食べにくいということがありません。小学校低学年の患者さんも無理なく使用できるものです。

 

【痛み】個人差があります。圧迫感を感じる方がおられますが、その場合でも2~3日程度で必ず治ります。

 

【使用時間】食事、歯磨き、お風呂に入ってリラックスするときは外し、それ以外はなるべく長い時間装着します。 装置を着けたままだと支障が出る場合(学校の授業、習い事、部活の時など)は短時間であれば外していただいて結構です。 

 

【保管方法】装置をお渡しする際は専用のケースを一緒にお渡ししています。装置を外した際はそちらに入れて保管していただきます。そのままポケットに入れたり、外食時などティッシュに包んで置いておくと破損、紛失の原因になります。

また、装置を清潔に保つため、装置も歯ブラシでこすって水洗いしていただくようお願いしています。

 

 

 

 早期治療に使用する装置

【 Expansion Plate(エクスパンジョンプレート)】

幅の狭い歯列の幅径を拡大することにより(奥歯の側方移動)、永久歯の萌出スペースを増大させる装置です。奥歯のすれ違い咬合を改善させることもできます。

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【サジタルアプライアンス

第一大臼歯(奥歯)を後方に移動させることにより、奥行きの狭い歯列を拡大し、側方歯(その後萌えてくる永久歯)のためのスペースを増大させるための装置です。

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【リップバンパー】

上記のサジタルアプライアンス同様、第一大臼歯(6歳臼歯)を後方に移動させる装置です。口唇圧を利用し奥歯を後方へ移動させるので、痛みは全くありません。

第一大臼歯(6歳臼歯)にバンドという装置を装着しそこにリップバンパー(取り外し式)を入れて使用します。 

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【Active Plate(アクティブプレート)】

前歯を前方に移動させることで、前歯部の受け口を改善させる装置です。

歯列の前後径を増やし、スペース不足をすることのできる装置です。

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まとめ

 混合歯列(永久歯が萌えそろう前、7〜8歳前後頃)から矯正治療を開始できる場合、上記の様な装置を用い、スペースを増大させる治療方法を行い、十分な結果が出た場合に永久歯を抜かないで矯正治療が達成できる場合が多々あります。

いずれの装置をどのような手順で使用していただくかは、適切な診断のもとで決定されます。